睡眠時無呼吸症候群ってなに?


睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が数十秒間も止まる発作をひと晩に何十回も繰り返し、そのたびに反復して大いびきをかくものですが、医学的にはもっと詳しく定義されています。ちょっと難しくなりますが、ご紹介しておきましょう。

睡眠時無呼吸症候群は、ギルミノー博士によって 「ひと晩7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上認められるか、あるいは一時間当たりの睡眠中に10秒以上の無呼吸が5回以上あるもの」 と定義されています。

ここで言う無呼吸の状態とは、いびきがやんでいるときで、定義では10秒以上となっていますが、通常20〜30秒くらい、ひどい場合には1分から2分近く続く人もいるようです。また、30回どころか、ひと晩に数100回も無呼吸を繰り返す場合もあります。 「2分間息を止めてください」と言われて、なにごともなくラクに息を止めていられる人はそう多くないでしょう。10秒間の無呼吸を30回繰り返すことだって、かなりたいへんなはずです。それを、ひと晩じゅう、数100回の無呼吸を繰り返す! 無呼吸というのはいわば窒息状態ですから、こんなに長い間、無呼吸でいたら、苦しくないはずがありません。無呼吸のあとに爆発音のような大いびきをかくのは、酸素を体内に供給しようと、大きく空気を吸い込もうとするためで、激しくもがくような動きをともなっていることもしばしばです。

日本人で習慣的にいびきをかく人は2000万人以上もいます。睡眠時無呼吸症候群の人は、そのうち約10%、約200万人と考えられています。

睡眠時無呼吸症候群の3つの分類

睡眠時無呼吸症候群は、「中枢型睡眠時無呼吸症候群」と、「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」、両者の混在する「混合型睡眠時無呼吸症候群」の3つに分類されています。

習慣的にいびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群の予備軍
中枢型
睡眠時無呼吸症候群
延髄にある呼吸中枢から呼吸筋に対しての刺激が停止してしまい、呼吸運動そのものが全くない状態。つまり、口や鼻からの息だけではなく、胸郭や横隔膜にも呼吸している形跡がないものです。呼吸中枢になんらかの障害が起きていることが原因と考えられます。
閉塞型
睡眠時無呼吸症候群
気流停止と言って口や鼻からの息はしていないものの、胸郭や横隔膜は呼吸をしようと活動しているもの。気道が閉塞してしまうことが原因で、肥満や舌の肥大、咽頭部の障害などによって起こります。
混合型
睡眠時無呼吸症候群
中枢型の無呼吸から始まって閉塞型の呼吸再開にいたるパターンを繰り返すものです。

これらは定義上の分類ですので、完全に独立しているわけではなく、同じ人がひと晩の問にこれらのパターンを混合して繰り返すこともあります。 この三つのなかで最も多いのが閉塞型睡眠時無呼吸症候群で、全体の90%以上を占めています。

閉塞型無呼吸で妨げられる安眠

閉塞型睡眠時無呼吸症候群の睡眠中の呼吸パターンは、次のようなものです。

この周期を、ひと晩じゅう繰り返します。気道が狭まっていると必要な量の換気が行われないので、血液中では酸素量が低下して二酸化炭素の量が増えるという現象が起こります。すると、血管壁にある一種のセンサーがこれを感知して延髄にある呼吸中枢に働きかけます。この刺激で脳が一過性の覚醒現象を起こし、呼吸中枢は呼吸筋に対して呼吸運動を活発にするよう指令を送ります。呼吸筋はこれに促されて呼吸運動を活発化し、空気を送る力を強めていきます。この力が気道の狭くなっている部分の抵抗をはねのけたとき、気道が開放されて初めて大きな呼吸をします。 この大きな呼吸が、いったんいびきがやんだあとに再び起こる、大いびきです。睡眠時無呼吸症候群のほとんどの人が、必ず大いびきをかくのは、気道の抵抗を、ためていた大きな空気の力で負かしたためなのです。 しかし、問題は音量ではありません。このサイクルを見ていただくとわかるように、重要なのは無呼吸が起こる度に、脳が覚醒を繰り返していることです。 この脳の覚醒は意識に残るようなものではなく、大体は数秒間で再び眠りにつく程度のものです。けれども、睡眠中に脳が覚醒するというのは、眠りがその都度、分断されてしまうということです。それが、ひと晩に30回以上、重症の睡眠時無呼吸症候群の人では数100回にも及ぶのです。 眠りが分断されれば、それだけ睡眠も浅くなり、習慣的にこれを繰り返していれば慢性的な睡眠不足に陥るのは目に見えています。睡眠不足が高じれば日中、突然に眠り込んだりすることもありますし、実際、睡眠時無呼吸症候群が原因で起こったさまざまな事故などが報告されています。



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